自分で小説を書く(2)
どもです!こっぴいです!
今回は小説の続きを載せます〜
どうなっていくんでしょね。
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* 類
今日も今日とてあまり変化のない一日だった。今は夜の十時。私は自分の部屋でごろごろしている。
あいかわらず優へのいじめは続いているし、理科の先生の説明は意味不明だったし。もうすぐテストもあるからいろんなこと少しずつ解決していかなきゃなあ。
ああ、ひとつ気になることがあった。
今日の昼休みが終わる頃、教室に戻ろうとしていたら空き教室の隅で、優と望が話しているのを偶然見かけたのだ。望の取り巻きは見当たらなくて、二人きりで話しているようだった。あまり長く見てはいられなかったのだけれど、望は優に何か怒鳴っているようだった。それはとても怖い顔で。
気になるのは、優がそれに対して冷ややかに笑っていたことだった。
私はそれを見てすぐに目をそらしてしまった。明らかに私の知っている優ではなかった。望の怒っている顔よりも優の表情の方が私の背筋をゾクッとさせた。今思えばあれは私の見間違いだったのかもしれない。少しの間しか見ていないし、あの気の弱い優が望相手にあんな顔をするなんてやはり信じられない。
でもこんなことを考えたところで優の気持ちがわかるわけじゃないし、今日は早く寝てしまおう。そう思った私はベッドに潜り込もうとした。
ガガガッ
その時、窓を叩くような音がした。私はすぐ窓に近寄りカーテンを開けた。するとそこには冷たい空気の中座っている黒猫がいた。
「やっぱりクロか〜!ひさしぶり〜!」
私は窓を開けてクロを迎え入れた。ひょいっと私の部屋に入るクロ。
私の部屋の窓は、お隣さんの屋根のちょうど上に位置しているので、猫が入りやすいようになっている。この黒猫は半年前くらいからよくうちに遊びに来ていて私はそれをいつも楽しみにしている。野良猫か飼い猫かわからないけれど、私はこの猫をクロと呼んで慕っている。
「寒かったでしょ〜。コタツであったまる?」
そういってクロの顔を覗き込む。その時いつものクロとは少し違うことに気がついた。
「ん?クロ首輪してたっけ?しかも何か入ってるみたいだし・・・」
クロは小物がいれられる真新しい首輪をしていた。私はその小物入れを開けてみることにした。もしかしたらクロの本当の名前が入っているかもしれないし・・・。
カチャ
中には粉が入った袋があった。袋には文字が書いてあり、何が入っているのか知ることができた。
「毒薬・・・?」
私は訳がわからなくてとりあえずクロを見た。クロはくりくりとした目で私を見つめていた。
* 秀
「びっくりした〜」
僕は男の子を見ながら胸をなでおろす。変な動物でも出てきたのかと思った。
そんな僕に対し、男の子は表情を変えずに僕をじっと見ていた。
いや、正しくは僕の手にあるサンドイッチを。というか僕の方には目もくれない。
「・・・サンドイッチ食べる?」
僕は恐る恐る男の子にサンドイッチを差し出してみる。無反応だったらどうしよう。と一瞬心配したが男の子の顔はパアッとすぐに明るくなり、
「いいの?お兄ちゃん?」
とキラキラとした目で聞いてきた。かわいいなあ。隣に座ってきた男の子に僕はサンドイッチを渡す。
「いいよ〜。あと五個あるから。一緒に分けよう。」
少し作りすぎたサンドイッチがこんな形で役に立つとは。
「わーい!ありがとう!」
男の子はすぐにサンドイッチにかぶりついた。よほどお腹が空いていたのだろう。僕はニコニコしながら男の子の食べる姿を見守っていた。しかし、男の子の食べるスピードがすごすぎて気がついたら残りがあとふたつだったので、慌ててひとつ口に放り込んだ。
ふたりでサンドイッチを完食したあと、僕は男の子に話しかける。
「食べるのすごく早いね。」
あっという間にサンドイッチが消えてしまったことに驚き、少し顔がひきつっていたかもしれない。
「このサンドイッチが美味しすぎるからだよ!これ、どこで買えるの?」
男の子が聞いてくる。僕は少し照れながら答えた。
「これは僕が作ったんだ。そんなに褒めてくれて嬉しいよ。」
「ええ!お兄ちゃんが作ったの?これなら僕、二週間に三回くらい食べられるよ!」
丸い目をもっと丸くして男の子は驚く。結構リアルな数字だなと僕はまた顔をひきつらせる。でも、自分の料理を褒められているので素直に嬉しい。変な表情になる。
「ありがとう。」
男の子はニコニコしながら続ける。
「お兄ちゃんがもしサンドイッチのお店をだしたら僕お得意さんになるかも〜。」
足をパタパタさせる男の子。この子はあまり深く考えないでこんなことを言っているのだろうな。サンドイッチのお店ねえ。
サンドイッチのお店か・・・いいかもしれない。
僕の頭の中で何かのスイッチが入った。よし、とりあえずやってみよう!
「君、本当に僕がサンドイッチの店を開いたら来てくれよ!」
僕は、男の子の手を強く握る。男の子は相変わらずニコニコしていた。
* 統
「おはようございます。」
僕は事務所に着いたので、そこで待っていたおじちゃんに挨拶をした。
「おお、君が例の子か。おはよう。そっちの部屋にお茶セットがあるから社長が来るまでに準備しといて。頼むわ。俺は社長がきたらそこのソファに案内するから、君のタイミングでお茶出してきてね。」
気さくに話してくれるおっちゃん。笑顔が素敵だ。
「わかりました。」
僕もつられて笑顔になってしまう。
そしてお茶セットのある部屋に通された。綺麗に掃除されており、お茶セットもピカピカだった。こんなお茶セットでいれたお茶を俺も飲みたいぜ・・・。
そこまで考えたところで俺は我に返った。いやいや、違う。これから毒を仕込まなきゃいけないのに、呑気にお茶を飲みたいだなんて俺はバカか。
また、冷や汗が出てきた。事務所まで来てしまったのだからもう後戻りはできない。しかも笑顔で返事までしてしまった。
やばい、やばい、やばい。
とりあえず、毒薬を出してみる。毒薬はご丁寧に『毒薬』とかかれた袋に入っていた。俺は、これをお茶に入れて見ず知らずの人を殺すのか。お金の為に。
「・・・」
だめだ!いくらお金がないからって人は殺しちゃだめだろう!ここまでは恐怖に後押しされて来てしまったけれど、ここで踏み止まらなきゃだめだ!
俺の倫理観がやっと働き始めたので、俺はどうやってこの場を切り抜けるかを考え始めた。
逃げるか?いや、さっきのおじちゃんが笑顔で追いかけてくるとか怖すぎる。ここは、とりあえず普通にお茶を入れて出しとくか・・・。
ピンポーン
部屋にあるインターホンが鳴った。とりあえず出てみる。
「はい。」
「警察です。この事務所で違法な取引が行われるという情報を聞いたので、取り調べをさせてもらいます。おまえら、入れ。」
リーダーらしき警察官が後輩に指示をしている。
え?警察?ん?これ、俺が犯人になるんじゃない?毒持ってるし。完全に現行犯逮捕じゃん。どうしよ。どうしよ。
僕があたふたしていると、急に何かが窓から入ってきた。今度はなんなんだと半泣きでそっちを見ると黒猫がいた。そいつはこっちに近寄ってきて「にゃー」と鳴いた。
「お腹が空いているのか?ごめんな。あげるエサも持ってないし、何より俺は人生最大のピンチを迎えているんだ。今まさに現行犯逮捕されちゃうかもしれないんだ!」
ああ、こんな時に何を猫にベラベラしゃべっているんだ俺は。半ば諦めかけたその時、猫の首輪に小物入れが付いていることに気がついた。
あれ?何か入っているのかな?開けてみると中は空っぽだった。その大きさを見て俺はこう思った。
これ、毒薬がすっぽり入る大きさだな。本当にちょうど良い大きさだった。
・・・ここに隠しちゃおうか。
この状況を回避するにはこれしかないと俺の中の悪魔が囁く。
でも猫の首輪だぞ。もし何かの間違いで食べちゃったりしたら・・・。俺の中の天使が囁く。
「警察です。失礼します。」
隣の部屋から声がする。警察がきたみたいだ。おじちゃんとも何か話している。
わわわ。すぐそこに警察いるじゃん!もう時間がないな・・・よし、いれちゃえ!俺の中の悪魔が勝った。
俺は黒猫の首輪にある小物入れに毒薬をいれた。するとすぐに黒猫は窓からひょいひょいっと出て行ってしまった。
ふう、と一息ついたところで、ドアが開いた。警察が何人か入ってくる。
「あ、おはようございます。」
俺はなるべく何も知らないふりをして挨拶をした。
『おはようございます。』
警察の方々も揃って挨拶を返してくれた。
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ちょっと人物達に繋がりが出てきたのではないでしょうか。
人物多くね?と思った方もいるでしょう。
お話を考えているうちにどんどん増えてきちゃって、消したくなくてみんな出しちゃいましたね(笑)
ここまで読んでくれた方は次も楽しみにしてください!
バイバイ!