自分で小説を書く【最後】
みなさんこんにちは!こっぴぃだよ〜
最近寒すぎて冬眠してたよ〜(嘘)
小説が今回で終わりになるよ。
どんな終わりになるかお楽しみに!
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* 類
午後三時ごろ、私は一日目のテストを終えて、家への道を歩いている。明日もテストがあるから、今日は部活もなくみんな同じ時間に帰っている。いつもの帰り道では見かけないような子も今日はたくさんいて、なんだか不思議な感覚だ。
学校の近くの公園を曲がろうとした時、見覚えのある猫が公園のベンチの上にいるのが見えた。クロだ!私は嬉しくなってクロの元に駆け寄っていった。名前を呼ぶ。
「クロ!」
「クロ!」
自分の声ではない声が一緒に聞こえてきた。ん?聞いたことある声だな。誰だっけ?声のする方を見るとそこにいたのは望だった。私は一瞬息を飲んだ。望は私を見ると手を降って、クロに近寄っていった。
ここで何も言わずに帰るのもなあと思い、私もクロの元へ行く。
「類もこの猫のことクロって呼んでるの?」
望が話しかけてきた。私の方は見ずに。
「うん。黒いからね。わかりやすいし。」
答えると、望が笑ってこっちを見た。
「私もそう。黒いからってクロって呼んでる。一緒だね。」
望ってこんな感じで話してくれる人なんだな。あんまりちゃんと話したことがなかったから、勝手に気の強い感じかと思っていた。私は少し緊張がほぐれる。
「・・・」
でも、きまずい。優をいじめていたという事実が二人の会話を妨げる。
この沈黙を破ったのは望だった。
「類、私がなんで優をいじめてたか知りたい?」
私は驚いて望の顔を見た。望はクロを見ていた。そして私が答えるのを待たずに話し出した。それを聞いて私はまた言葉を無くした。
「優が私の彼氏を取ったの。ずっと私の見方をしてるふりして。」
私は望の横顔を見つめるしかできない。望はクロを撫でながら話を進める。
「ずっと私は優に恋愛相談していて、信頼していたの。だから私は彼が優と付き合ったって知って優を許せなかったんだ。」
開いた口が塞がらなかった。私の知らなかったことばかりだ。今まで望のことを恐ろしいと考えていたが、今では優の方が怖い。ああ、だからこの前優が望にあんなにさげすんだ表情をしていたのか。全ての謎が溶けていくと同時に望のことがかわいそうに見えてきた。
「望・・・」
「でもね、優は私や他の子がいじめていても全然へこまなかったの。この間、優と二人で話す時があって、私優が裏切ったことをすごく怒ったんだ。でも優は私に『私はしたいようにしただけ。これが実力なんだよ。なのに、いじめなんてして、望の方が恥ずかしよ。』っていったの。」
優がそんなことを・・・。私は少し安心した。優は私が思っていたよりも強かった。望が話を続ける。
「それを言われてから私考えたの。優のいう通りなのかなって。いじめるのやめた。テストもあって忙しかったし・・・。でも、やっぱり優への怒りは消えないんだ。」
望はクロを撫で続けながら寂しい顔で言った。
しばらく沈黙が続く。私はこれに対してどちらの側にも立てず、何を言って良いかわからなかった。一方で望はあることに気づいて、話題を変えようとした。
「あれ?クロが首輪つけてる。これなんなんだろ・・・」
「あ、それ・・・」
私が話しかけたその時。
「武さん、あの猫です!」
と、叫びながら男が走ってきた。
私と望は驚いて少し身を引いた。男が息を切らせてクロに近寄り、クロを抱き上げ、歩き出そうとした。私たちはとっさに叫んだ。
「ちょっと変な男の人、なにするの!」
「なんなのよ!クロに変なことしないでよ!」
男は私たちに驚き、口を開いた。
「俺は変な男じゃねーよ!そんなに叫んだら俺が不審者みたいだろ!」
「不審者じゃん!勝手に猫連れて行こうとしたし!」
「クロはあんたの猫なの?」
私たちはこの男への警戒をとかない。
男は答えようとする。
「この猫は俺を・・・俺を助けようとしてくれたんだよ!」
私たちの頭の中ははてなでいっぱいになった。
「え?」
「どうゆうこと?」
この男は頭がおかしいんじゃないかと思い始めた時、一人の警官が歩いてきた。いや、かなりイケメンな警官が歩いてきた。
「ちょうどよかった!おまわりさん!この男あやしいの!この猫連れて行こうとしたの!」
「だからあやしくないって!しかも警察につき出そうとするな!」
望の言葉に男は慌てる。
警察官は笑って、二人をなだめる。
「あはは。確かに猫を勝手に連れ出そうとするのはあやしいよね。でもね、この人は危険な人じゃないから安心して。僕とこの人でこの猫を探していたんだよ。この猫は事件の重要参考人だからね。重要参考猫?かな。」
男は嬉しそうに警察官に話しかける。
「武さん、やっと見つかりましたね!三日探し続けた甲斐ありましたね!」
「クロを三日も探し続けたんですか。」
私は驚いた。そして同時にきっとあの毒薬だと考えて、少し怖かった。あれは本物の可能性が高いんだなと。
「なんでクロが重要参考猫なんですか?」
望が尋ねる。
「この猫はクロって言うのかい?・・・ごめんね、それは言えないんだ。ただ、この猫がいないと悪い人たちを捕まえることができないんだよ。」
イケメン警官の武さんは口に人差し指を当てて、私たちに言った。イケメン警官にそんな風に言われて、私たちは何も追求できなかった。
「じゃあ、そういうわけだからこの猫かりてくな!」
男がクロを撫でながらいう。
「その人たち捕まえたらクロは解放してあげてね。じゃないとあんたボコボコにするからね!」
望は男を睨みながら、釘を刺した。
「わかってるよ!当然だろ!」
男は少しふてくされる。
望は武さんには笑顔で手を振った。
「がんばって悪い人たち捕まえてくださいね♪」
武さんも敬礼しながら笑顔で答える。
「了解しました!」
望の態度の変わりように男は何か言いたげだったが、結局何も言わなかった。
男と武さんを見送りながら、私は望の横顔を盗み見た。一度でも毒薬で望を痛い目に合わそうとした自分を悔やんだ。望が優をいじめたのには原因があって、その上優は喧嘩上等な姿勢だったとは。これは二人の問題だ。これから私は二人を中立の立場で見守っていこう。そう思った後、また視線を男と武さんに向けて思った。
あの毒薬はなんだったんだろう。世の中には私の知らないことがたくさんあるな。と。
* 秀
僕の猫カフェ兼サンドイッチ屋は今、徐々に人気が出てきている。猫を三匹飼って自由にさせているだけでこんなにもお客さんが増えるのかと驚いている。猫の世話や掃除はその分忙しいけれど。僕も癒されるから一石二鳥だな。
今日は休日で、今はカフェの開店前の時間を持て余しているところだ。
太郎が目の前で猫を撫でている。
「猫ってやっぱり最高だよね〜。今度僕の家によく来る猫も連れてきていい?」
僕も猫を撫でながら答える。
「別にいいけど、多分喧嘩するぞ。でも会ってみたいなあ。」
「その猫はどんな猫や人とも仲良くなれるし懐くから、多分だいじょうぶだよ!」
得意げな太郎。
「ほんとかな〜。」
笑う僕。太郎も笑っている。ああ、平和だなあ。僕はこんな生活を望んでたんだ。
そんな話をしながらテレビに目を向けた。今の時間は世間のニュースを報道しているようだ。
ぼーっとみていると昔の同僚たちの顔が出てきた。どうも宝石店の社長を殺そうとした疑いで書類送検されたらしい。今、警察が捜索中だそうだ。
「あいつら早く捕まらねえかな・・・」
僕はなんとなく呟いた。太郎が不思議な顔をして聞いてくる。
「ん?秀お兄ちゃんなんか言った?」
僕は答えながら立ち上がる。
「ううん、なんでもないよ。」
エピローグ
ある日の昼下がり、おばあちゃんが猫と窓際でくつろいでいる。なんとものどかな光景だ。おばあちゃんが猫に話しける。
「まだやっぱり寒いねえ。あったかいお茶がおいしいよ。・・・ところで首輪は気に入ったかい?その首輪はね、小物入れがついてるんだよ。すてきだろう?私と太郎の写真でもいれようかねえ。」
猫はおばあちゃんに撫でられながらうれしそうにしている。
「あら、ちょうどあの子が帰ってきたみたいだね。出迎えに行こうかね・・・」
おばあちゃんと猫は玄関に向かって歩いていった。
おしまい
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どうでしたかね。(おそるおそる)
後輩にこれ見せたら、私の好きな本とかズバリ当てられちゃいました(笑)
視点が沢山ある物語を書いてみたかったんだよね〜
付き合ってくれた人ありがとうございました!!!
またね!